最後の日


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ラフェスタの納車の日が来ました。つまりそれはラシーン最後の日なのです。その日をラシーンを手放す視線で書いてみました。

当日朝 最後の朝、駐車場にて運命の日を迎えたラシーン
心なしか小さく見える気がする。
前日、梅雨真っ只中なのに奇跡的な晴天を得たので磨いた。
綺麗な分余計つらい。

万感の思いを込めてイグニッションキーをまわす。
1秒と待たずに始動するSR18DE。
ブレーキを踏みつつDレンジまでノブを引く。
フロアシフトともお別れ。
サイドブレーキを降ろす。これともお別れ。
何もかもいとおしい。
道で他のラシーンを見つけると「あ!」って思う癖がある。
これはもう直らないんだろうなぁ。
もう少し経つと路上で見つけるラシーンは1号かもね。
息子がラジオをつけろとオーディオを指差し「じぇーうぇー」。
すまん、今日はクルマの音だけ聞かせてくれ。
距離計 カレスト幕張に到着。
最後の走行距離は40803km。
運転席 ノブをPレンジまで押し込み、サイドブレーキを引き上げる。
これで1号の音は聞き納め。
キースイッチをOFF位置まで回す。
静寂、店舗のBGMが車内に流れ込んでくる。
キーを引き抜く位置までまわし引き抜く、

「カチン」

キーが抜かれたことを検知したシリンダーのスイッチがリレーされる。
ドアを開けラシーンから降りる。
バトンタッチする CA氏がラフェスタを1号の隣まで移動してきて、
納車の手続きが始まる。
オプション装着のチェックなど、流れるように手続きが済んでしまう。
納車記念写真というサービスがあるそうで、
1号もいっしょに入れてもらう。

ところが、買取店舗までの移動があったので、もう一度だけ乗れることになった、ちょっと複雑。
買取店舗では、本気で1号の事見れなかった。写真なんか、無理。
売買契約書に署名捺印。
売買契約書の控えを渡されたときは、じっと控えを見つめてかなりの時間ぼうっとしていた気がする。
すごいヨレヨレの字だった。
カミさんも泣きそうだったし、自分もダメそうだった。
息子にバイバイをさせてごまかした。
息子にはある意味助けられた。お礼に救急車のミニカーをプレゼントしよう。

つらいねぇ、店頭納車ってさ。自分で売りに行くんだよ。
ポイント沢山つくから納車終わったら買い物しようと思っていたけど、
いたたまれなくて逃げるように店を後にしてしまった。

1号よ、さようなら、おまえはまだまだ元気なんだからこれからもがんばって走れよ。


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